僕はどこだ。

見守り続けたかった。

僕はどこだ。



僕は大空だった。


みんなを見下ろし、みんなをずっと見守ってきた。

なんて素敵な世界だろう、いつかは僕も地に足をつけ暮らしてみたい。

でも、僕にはたくさんの友達もいるし、みんなを守らなくてはいけないという仕事がある。

たまにみんなを傷つける時もあるけれど、仕方がないんだ。

僕にはどうしようにもない。



僕はなんだか消えてしまいたい。



黒い呼吸は僕を苦しめる。

そして僕はみんなを苦しめたくないのに苦しめてしまう。

今はまだ小さくても、このままでは大きくなってみんなをもっと苦しめてしまうだろう。

だから僕は消えてしまいたい。

消えたいけど、消えたくない。

助けて欲しい。

あぁ、でもみんなを苦しめるなら消えてしまおう。

いつか気づいて助けてくれるまで。

その日まで消えておこう。
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