【短編小説】高校生昇華物語
もうこうなれば仕方ない。

ここで止めるともっと面倒だ。

そのまま私がさっきぶん殴ったナンパ野郎の首根っこを掴む。

「遊んでだぁ? 遊ぶって何スルつもりだったんだよ?! ああん? R18小説じゃねーんだよ!」

我ながら私は何を口走っているんだ。


首根っこを放すとナンパ野郎は

「R18小説!? なんのことだよ!」

と言って走り去っていった。


前の私では確実にできなかったことだ。

拒絶することができた。

はっきりと断ることが──たぶん、人生で初めてできた。

少しは私──変われたのかな。

式錢くんと出会って。



今日は断れた記念日だー! わーい!

とか──露骨に表情には出さずに──歓んでいると師匠(式錢くん)がやってきた。
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