【短編小説】高校生昇華物語
学園最凶の男──梶原
勘違いに気づくのは、今日。このとき。今。
ナンパ野郎に絡まれた日のちょうど2日後。
学園最凶の男──梶原と対面したとき。
式錢くんがいない私一人のとき。
「お前が俺の手下の裏切り者か」
別に裏切るもなにも、勝手に仲間に入れられて勝手に裏切り者にされただけなのだけれど。
「それは、俺と喧嘩する覚悟あってのことだろうな?」
「…」
「何か応えろよ」
「私は──別に仲間に入った覚えなどありませんけれど」
「ああ? 宇井は確かにそう言ったぞ」
「宇井くんが何を言ったのかは知りませんが、ガセです」
「いい機会だから、喧嘩の一人もしたいと思って来たのによお。しかし、相手は年下で、しかも女とはなあ。手応えなさそうだぜ。」
「でしたら──」
お帰りください、と言う前に
「でも、喧嘩する気で来たんだ。このままじゃ収まらねえ。一発殴らせろ」
「…」
あんたはジャイアンか!
ふざけんな!
やだよ。
ナンパ野郎に絡まれた日のちょうど2日後。
学園最凶の男──梶原と対面したとき。
式錢くんがいない私一人のとき。
「お前が俺の手下の裏切り者か」
別に裏切るもなにも、勝手に仲間に入れられて勝手に裏切り者にされただけなのだけれど。
「それは、俺と喧嘩する覚悟あってのことだろうな?」
「…」
「何か応えろよ」
「私は──別に仲間に入った覚えなどありませんけれど」
「ああ? 宇井は確かにそう言ったぞ」
「宇井くんが何を言ったのかは知りませんが、ガセです」
「いい機会だから、喧嘩の一人もしたいと思って来たのによお。しかし、相手は年下で、しかも女とはなあ。手応えなさそうだぜ。」
「でしたら──」
お帰りください、と言う前に
「でも、喧嘩する気で来たんだ。このままじゃ収まらねえ。一発殴らせろ」
「…」
あんたはジャイアンか!
ふざけんな!
やだよ。