【短編小説】高校生昇華物語
リベンジ
──あれから、1ヶ月ほど経った。


私は自分自身が変わった、などとはあの日から思えなくなっていた。

過ぎたことで、終わったことだ。

よくよく考えてみれば、何故私のような女子が喧嘩の方法なんかを必死に覚えているのだ。

始まりはなんだ。


宇井か?

式錢くんか?



──否、始まりは他でもない。

私自身だ。

強くなりたいと願った、私自身だ。



月日は経った。


もう何もなかったことになっていればいいのに。

ゲームのようにリセットボタンを押してしまいたい。

強くそう願うが、人生のリセットは死と同列だ。

人生のリセットは終わりであり、始まりではなく終焉だ。



──もう、戻ることはできない。
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