【短編小説】高校生昇華物語
目の前には、1ヶ月ほど前に私のことをズタズタにした張本人──梶原。
「…」
私は梶原を鋭く睨み付ける。
「おうおう、こえーな。」
少しおどけたようなことを言う梶原。
「テスト結果が残念過ぎてイライラしてた。いいサンドバッグが見つかって梶原先輩は大層お喜びだよ、相沢ちゃん」
何故こうも私の人生は悲惨で災難なものなのだ。
不幸は私に降りかかる。
『──相沢、梶原なんか学園最凶の男なんて呼ばれてる割にそう強くもねえ。ガタイがいいだけだ。
『この体格差で喧嘩に挑むなら、隙を見ろ。一瞬でも目を逸らすな。相手を凝視しろ。
『奴は左利き、左拳からくる筈だから自分から見て左に避けろ。その間も目を逸らすなよ、その間に左半身に明らかな隙ができるからな。
『その一瞬で勝負が決まる。左脇腹にお前の全ての力を──所謂全力ってやつを──蹴りでも手刀でも拳でもなんでもいい、おもいっきりぶつけろ!
「…」
私は梶原を鋭く睨み付ける。
「おうおう、こえーな。」
少しおどけたようなことを言う梶原。
「テスト結果が残念過ぎてイライラしてた。いいサンドバッグが見つかって梶原先輩は大層お喜びだよ、相沢ちゃん」
何故こうも私の人生は悲惨で災難なものなのだ。
不幸は私に降りかかる。
『──相沢、梶原なんか学園最凶の男なんて呼ばれてる割にそう強くもねえ。ガタイがいいだけだ。
『この体格差で喧嘩に挑むなら、隙を見ろ。一瞬でも目を逸らすな。相手を凝視しろ。
『奴は左利き、左拳からくる筈だから自分から見て左に避けろ。その間も目を逸らすなよ、その間に左半身に明らかな隙ができるからな。
『その一瞬で勝負が決まる。左脇腹にお前の全ての力を──所謂全力ってやつを──蹴りでも手刀でも拳でもなんでもいい、おもいっきりぶつけろ!