【短編小説】高校生昇華物語
後日どころか数年後──
この不思議な体験をファミレスで友人に話した。
友人は、当然信じきったりはしなかった。
しかし、
「へえー、梶原が大人しくなったのは相沢ちゃんのおかげなのかー」
と、言った。
「そういえば、あの高校の七不思議の中に『竹刀男子』っていうのがあった…ような?」
とも。
やっぱりあれは、私が本当に体験したことだったのか、夢幻だったのか、今でも定かではないけれど。
でもあの子は、名乗ってもいなかった私のことを「相沢」と呼んだ。
七不思議は本当だったのだろうか。
「その男の子、美少年だったんでしょ? いいなあ、私も会いたかった! 今でもその子、相沢ちゃんのこと、見守ってるかもよ?」
友人は少し笑った。
あの子が…
そんなわけもないか。
でも、今の話をあいつが聴いていたら、きっと可笑しそうに笑うことだろう。
「ヒヒッ」
誰かの笑い声が聞こえた。
それは、あの男の子の笑い声なのか、他の偶々このファミレスに来ていた高校生男子の笑い声なのか。
そんなことはどうでもいいのだけれど…
「割勘じゃなかったの!? ちょっと!」
「あんたの奢り♪」
「むう…」
私はファミレスのランチ代を奢らされてしまったのだった。
友人は、当然信じきったりはしなかった。
しかし、
「へえー、梶原が大人しくなったのは相沢ちゃんのおかげなのかー」
と、言った。
「そういえば、あの高校の七不思議の中に『竹刀男子』っていうのがあった…ような?」
とも。
やっぱりあれは、私が本当に体験したことだったのか、夢幻だったのか、今でも定かではないけれど。
でもあの子は、名乗ってもいなかった私のことを「相沢」と呼んだ。
七不思議は本当だったのだろうか。
「その男の子、美少年だったんでしょ? いいなあ、私も会いたかった! 今でもその子、相沢ちゃんのこと、見守ってるかもよ?」
友人は少し笑った。
あの子が…
そんなわけもないか。
でも、今の話をあいつが聴いていたら、きっと可笑しそうに笑うことだろう。
「ヒヒッ」
誰かの笑い声が聞こえた。
それは、あの男の子の笑い声なのか、他の偶々このファミレスに来ていた高校生男子の笑い声なのか。
そんなことはどうでもいいのだけれど…
「割勘じゃなかったの!? ちょっと!」
「あんたの奢り♪」
「むう…」
私はファミレスのランチ代を奢らされてしまったのだった。