＊ KING＋1 ＊

「ピカソ気に入った？杏そろそろ ここ閉館時間なんだよ。」


「先輩…私心が汚れているのかな？ずっと この場所にいて 作品を見て浄化されたい…。」


「はぁ…また訳のわかんない事を…それを普通 心が洗われたとか表現するんじゃないか？言葉のチョイス 間違えてるだろ。」


目から鱗。これが、この感覚が心が洗われる…なんだ───。

「安藤杏果 今日生まれて初めて心を洗いました。

あっそうか…だからなんだ。

先輩は まだ心を洗った事がなかったんでしょう？早く洗って出直して下さい。１日も早く…。」


「バカか…。お前大概にしろよ…ハハ…余りにも変な言い掛かりはやめてくれ…。」


先輩がこんなにも笑ってるのを見たのは初めてかもしれない…


安藤杏果 今日２度目の心が洗われた感覚を味わった。先輩には黙っておこうと思う。リアではあり得な過ぎて 勿体ない衝撃的な笑顔だったのだ────。