* KING+1 *
朝起きると…あれっ?そうか 圭さんの部屋だと気付くけれど───。


あのあの…後ろから抱きしめられてる状態の私がいて、昨日の途中からの記憶が全くない。


そろそろと動いて 多分圭さんの腕から逃れようと試みる、が…がっちり更に抱きしめ直された?


「逃げんなよ…。」


掠れたセクシーな声が耳近くから聞こえ ドキリとする。


「お、おはようございます。あの、これは?」


「おはよう杏。ほらもっとこっちに来い。」


グリンと向きを返らされて 向き合う距離ゼロ。


「ハハ可愛い。焦ってる杏 レア///」


ぎゅっと抱きしめられて、圭さんの胸の音がトクントクンと規則正しく聞こえる。


「はぁ///杏じっとしてるって事は食べていいって事か?」


違うし…


「びっくりし過ぎて 思考がストップしてたんです。そろそろ勘弁してくれませんか?」


「なんだ残念…クスッ。」


言葉はそうだとしても、行動はチグハグで、唇をそっと奪われて…


短いキス───。


「あっ。」


「これぐらい減らないからいいだろ?昨日も 凱人には キスされてたの見たぞ。」


多分 顔が赤くなってたと思う…


「可愛~い。もっと苛めたいけど、今日のところはこれで許してやるな。」


首にチクンと痛み付きで吸い付かれ、圭さんは私から離れベッドを下りた。


次から次へと 予想外の展開に頭は付いて行かずに、朝の用意をして店に向かった。


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