* KING+1 *
目が覚めると、ここは何処なの?フアフアしている上質なベッドは 私の知っている先輩の部屋の感触でもない。


ん?体を起こして回りを見ると…広い部屋。
あれ?ここは もしかしてエグゼクティブルームの一室?

誰もいないのはどうして?

はっ?服は 脱いでいる?だけど下着は着用。誰が脱がした?

え、え────


一人でパニックになっていると…扉が開き 大秦さんが顔を出す。


「杏果良く寝れた?頭痛くない?平気?」


機関銃の様な弾丸トークにドン引きして、黙る。

「あ~ごめん、痛くて頭に響いちゃった?薬持って来てもらうよ。お水も飲みたいだろ?」


朝から これ何のふり?何かの罰ゲーム?
疑問しか起きない大秦さんに対しての対応がわからない。


「おい、杏が困っているのがわからないのか?」


先輩の言葉がすごくまともに聞こえるあたり、私も先輩に飼い慣らされてる?


「杏 昨日はあなた大変だったんだから…もう当分禁酒よ。直ぐに意識飛ばすなんて、狼に襲われちゃうから…ダメよ、わかった?」


その、あの やっぱりさっきのキスは リアルな出来事だと改めて思う。でも、いったい誰の仕業?

3人にキスをお願いしたら犯人がわかるのだけれど…私には そんな勇気もなければ、恥ずかしいから言い出す事は出来ない。

モンモンとする気持ちを他所に 私は3人に部屋から出て貰い 身支度を整える為に 服をノロノロと着たのであった。


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