* KING+1 *
rendez-vous
パリに来て 慌ただし毎日の為、仕事場と先輩のアパートの往復しかしていない。
だから私は先輩に大いに吠えた…
「ここは 地獄より酷い墓場だ。私には息が出来る日常なんて用意されていなかったんだ。騙された…先輩の嘘つき、全然パリに来た意味がわかんない…。」
と、ちょっとオーバーに芝居掛かっていたかもしれない。
「うるさいよ…杏が地獄とやらのこのパリは 俺の憩いの場所だ。仕方がない、明日は俺のお気に入りの場所に行くか?」
心の中でやった~!と、小躍りをしている私は封印して、あくまでもクールに 先輩に言う。
「先輩の憩いとやらを 私が本当かどうか 見極めてあげますよ。だから 絶対明日は外に連れて行って下さいね。」
「ああ、素直に行きたいと言えばいいだろ?」
クスリと笑う先輩が 憎らしいけれど…恥ずかしかったのもあり、お酒を飲もうと先輩に持ちかけたのが不味かった。
─────***────***────
────で、今日の朝のやりとりに戻る。
バタバタと世話しなく用意を20分で済ませ(いつもの如く 男子並以上の素早さは毎日鍛えられて培った…)、内心ニタニタが止まらない、私の中ではパリでの初デートだと勝手に認定していたのであった。
だから私は先輩に大いに吠えた…
「ここは 地獄より酷い墓場だ。私には息が出来る日常なんて用意されていなかったんだ。騙された…先輩の嘘つき、全然パリに来た意味がわかんない…。」
と、ちょっとオーバーに芝居掛かっていたかもしれない。
「うるさいよ…杏が地獄とやらのこのパリは 俺の憩いの場所だ。仕方がない、明日は俺のお気に入りの場所に行くか?」
心の中でやった~!と、小躍りをしている私は封印して、あくまでもクールに 先輩に言う。
「先輩の憩いとやらを 私が本当かどうか 見極めてあげますよ。だから 絶対明日は外に連れて行って下さいね。」
「ああ、素直に行きたいと言えばいいだろ?」
クスリと笑う先輩が 憎らしいけれど…恥ずかしかったのもあり、お酒を飲もうと先輩に持ちかけたのが不味かった。
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────で、今日の朝のやりとりに戻る。
バタバタと世話しなく用意を20分で済ませ(いつもの如く 男子並以上の素早さは毎日鍛えられて培った…)、内心ニタニタが止まらない、私の中ではパリでの初デートだと勝手に認定していたのであった。