* KING+1 *
夕方会議も終わり 疲れた顔の副社長に挨拶をして、今日は急遽私のお帰りなさい会をしてくれる事になった店に柚ちゃんと向かう。



「それにしても安ちゃんスゴいね。いつの間に副社長と仲良くなったの?あの人、本社に入ったのでだって最近なんだよ。今日だって、自分も参加するって言ってたよね?」


「そうだよね。普通はあり得ない事だよね。私は副社長とはパリの美術館で会ったんだ。それから、パリ支社に来た人が、副社長で…よくよく考えると不思議な縁だよね。流石に今日の会は 副社長がいると寛げないし、丁重にお断りしたんだけどね。」


「てか、バリで会っちゃうとか―――――運命的な出会いとしか思いつかないんだけど?」


まさか?それなら…私はもっと早い段階で運命的な出会いは経験してるんだけどな…


先輩と私だって、それは言える事だよね?しかも、私は先輩の事が好きだった訳だし。


「…にしてもさ、副社長は安ちゃん狙いだと思うよ。今日終わったら迎えに来るんでしょ?」


「そうかな?今日から宿泊場所が変わるみたいなんだ。だからそれもあると思う。落ち着いたら、柚ちゃんまた遊びに来て、ていうかお泊まりに来て欲しいな///」


「え~、嬉しい///良かった。安ちゃんが私の事友達だと思ってくれてて。」


飲み会の前に ほっこりと幸せな気持ちになれた。私には友達がいる、1人ではないんだと…



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