* KING+1 *
メイクルームに着くと 綺麗な男の子がお出迎えしてくれて、早速メイクに取り掛かる。


「今からメイクをします。今の素っぴんの私とメイク後の私のビフォーアフターをお楽しみ下さい。それとメイク担当の人はイケメンさんです。名前は輝来(きら)君。名前と同じでキラキラしてますよ。」


「安藤さん、よろしくお願いします。すっごくキュートにしちゃいますから覚悟して下さいね。」


見た目と違って輝来君は 意地悪な笑顔で私に答える。


「あ、それと集中出来ないのと、メイクのテクニックは企業秘密なんで、撮影NGでお願いします。声撮りはOKです。」


メイクルームで輝来君と私とビデオカメラのみ。辰野君は部屋から出されて二人きり。


「今日はどんな感じのメイクのイメージですか?」


「安藤さんの魅力を200%位に上げるメイクです。」


「それは凄く楽しみです。では完成までお楽しみに。」


一度、ビデオカメラをOFFにした。


「では集中して頂きたいので、音もなしにしますね。」


「いいの?そんな無防備で?」


「へ?あの…」


鈍い私でも急にメイクルームの温度が変わった気がした…

< 77 / 96 >

この作品をシェア

pagetop