* KING+1 *
んっ///この人キスが上手いかも…
だけど、私はやっぱり先輩が好きだから。輝来君を手で押し退けて──


「気持ちのないキスの意味は?」


真っ直ぐに輝来君を睨み付け問う。


「可愛い顔して言う時は言うねぇ。キスは気に入ったから。それに、益々安藤さんの事が俺気に入ったんだけど?」


「あのさ、さっきからナンパな人の話は聞きたくないの。ちゃんと仕事が出来るってとこ見せてくれないかな?因みに先輩は超絶ほんと出来る男で、私の目標なんだ。」


「百瀬さんは日本に居なくてもオーラを感じさせるなんて狡いなぁ…って言うか俺もあの人の事、神かと思う程尊敬してるんだ。」


目付きがガラリと変わった輝来君は、たぶん本来の普段の顔に戻り、私の顔に丁寧にスキンケアから施し始めた。


それからはさっきまでの会話が嘘のような時が過ぎ、彼の手で私は陶器の様なスベスベな肌へと変わり、新たな魅力溢れる顔になったのであった。

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