* KING+1 *
「で、この顔とこのボディで───。この完璧な杏果で落ちない男っているの?」


全てが整い、辰野君が暫く固まった後、漸く話した言葉がこれで。


いやいや─1秒でも早く服を着せて欲しいんだけれど…。私の装いは…キャミとタイトなチュールのミニスカと、かなり心許ない。


「てかさ、輝来君仕事終わったんだから、帰ったら?」


とは言うものの、不機嫌MAXの辰野君の言動もかなりおかしい。


「フィッティング後のアフターケア必要でしょ?辰野さんって案外馬鹿?」


こちらも何故か触発スレスレの穏やかではない雰囲気を醸し出している。


う~ん困り果てたところ お待ちかねの服を持ったスタッフの人が現れ、私は逃げる様に フィッティングルームへと入った。


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