＊ KING＋1 ＊

Un être cher

「杏果、この会場に入ったら　まずお辞儀をする事。そして何も考えずに真っ直ぐにランウェイを笑って歩く。それが今日のイベントのメイン。わかったか？」


「副社長…さっぱりわからないけど、歩けばいいんでしょ？だけど、私まだランウェイのウォーキングとか出来ないですけど　いいのでしょうか？」


「ん、まぁね…出来ない事は無理にしなくてもOK。杏果なら勢いで何とかクリア出来ると思うし…大丈夫だ。


ただ…俺が手放すのが無理って言うか──。あ～くそっ。仕方ないのはわかってるんだけどな…俺の気持ちだけが、付いていけないって言うか…」


珍しく副社長がブツブツと呟いている?


「あの、副社長大丈夫でしょうか？」


「ああ、問題ない…多分───」


私のこれからの行動がそんなに心配なのか？だから、私なりにしっかりしなきゃと逆に気合いが入った。


「副社長、私今日が一番素敵な１日だと思って、最高の笑顔でランウェイ歩いてみせますので、見てて下さいね。」


にっこり副社長を　今先輩と会えたら　私きっと心から笑えるかな？という顔で笑ってみせた。