* KING+1 *
私が日本に来た理由は 新しいプロモーションの為だとわかった。だけど、毎回私にだけシークレットでサプライズっていうのは、流石に勘弁して欲しい。


「大秦、そろそろ杏果をフランスに連れて帰ってもいいでしょう?」


「いや、まだダメだ。杏果にはもう少しこのブランドイメージを拡散してもらうまで居て貰わないとね。」


「って事は…杏果は暫く日本に滞在ですか?」


「え~辰野君 何か顔スゴくニヤけてるんだけど、気のせい?」


「ああ、辰野には杏果密着レポの仕事を引き続きして貰うから、そのつもりで。」


「副社長、そんな美味しい話の仕事でいいんでしょうか?俺 広報の仕事がこんなにも楽しいの初めてです。」


「副社長、安藤さんのヘアメイクは 引き続き私、輝来でよろしいでしょうか?」


「日本滞在期間中は、杏果のヘアメイクの専属は勿論輝来、君しかいない。」


「あれ?大秦、私も其なりに出来るんですけれども?って言うか、私を外す事が信じられない。」


「うん?圭はダメ。フランスでいつも杏果と一緒、だから絶対日本では控えて貰うから。」


「悔し~い。あなた絶対覚えてなさいよ。次の人事が楽しみになったわ。」


あれ…副社長と圭さんは どっちが上の立場?今の会話だと…


「さてとお姫様。今日はこれから打ち上げがあるんだけれど、一度着替えないといけないから、別室に行こうか?」


副社長自らがエスコート?いやいや、自分で出来ますからね。



「みなさん盛り上がっているので、私はスタッフと行きます。だからお気になさらずに、先に会場となる場所に向かって下さい。」


ニッコリ笑いながら 部屋から出て行く杏果の笑顔が天使の様で オーラが半端なくピュアで 誰も固まって動く事が出来ないのであった。


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