サヨナラは海の中


なんて非現実的な状況。


こんな現場に立ち会う時が、まさか俺にくるとは思いもしなかった。


そもそも、今どき身投げなんて……。


沖合に向かっていた少女の足はとりあえず止まったという感じで、またすぐにでも歩き出してしまいそうだ。


「あのさ、とりあえず海から出ない?いくら夏だからって女の子1人で海に入るのは危ないよ!それに服は水を吸うと重くなるっていうし!!」


とりあえず止めないと。


その考えのもと、俺はあまり考えず月並みな言葉を投げかける。


別に彼女が1人で海に浸かろうと、それは彼女の勝手であって俺には一切関係ない。


いや、というかそもそもそういう問題じゃない。


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