サヨナラは海の中


小さい頃からずっと。


あおはうなされ続けてきた。


最初こそは心配して揺すり起こしたものの、あおは『あの夢』を見ている時は頑なに起きなかったから、いつしか夢が覚めるのを見守るようになった。


どうにかしてやりたくて悔しかったけど、俺は静かに見守ることを決めていた。


あおは、


自分がなんでうなされているか、


なんであんな夢を見てしまうのか分からないと言っていた。


​──────けど、それは違う。


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