君と見た色
「えーっと……、松山……さん?」

「そうだけど、君は?」

「宮田だけど、松山さんの隣の席の」

「あー。確かにそんな人いたね。ちょっと待ってて」

そう言って松山さんは通話ボタンを切ってしまった。

それからしばらくして、玄関のドアがゆっくりと開き、中から松山さんが顔を出していた。

「入って」

感情の無い声が僕の体温を一気に奪っていた。明らかに不機嫌だ。

「宮田君だっけ?なんで来たの?」

「先生に頼まれて、最近松山さん学校に来てないから。様子見てこいって」


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