いつまでも君と
「うん」
彼は落ち着いた声で頷いた。


「早速、委員の子に聞いてみるよ!ありがとう!」
「いいえ、力になれてよかったよ」
「じゃあまた…あっ」

私は教室に戻ろうと彼に別れを告げる為に掲げた右手を口に当て、彼に目を向けた。

「ん?」
彼は自然に首をかしげる。
こんなに可愛い仕草を同世代の男子ができるのか、と驚くくらいの笑顔付きで彼は私を見た。

「名前…まだ聞いてなかったよね。私は佐藤るい!君は?」
「ああ、笹川ゆうだよ。」

なんだかイメージ通りの名前で嬉しくなってしまった。

「ゆうって、漢字は?」

自分の名前が平凡だからか、私は知り合った人の名前が毎回気になって聞いてしまう。
彼は特にもっと知りたくなったのだ。

「ないよ、ひらがなで ゆう なんだ。女の子みたいでしょ」
彼は眉を下げて少し困ったように笑った。

「ううん!柔らかい印象があって良いと思う!それにね…」
「るっちゃん!ちょっと手伝って!」

楽しくなってきた会話を遮るようにカーテンをつけ終えた友達が私に声を掛けた。
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