【短】おにぎり
素をありのまま外に出せるアヤメが羨ましい。こんな明るくて、可愛らしい子いない。
聞きたくない教科書通りの授業形式が終わり、お昼休みになった。
お昼になると、仲の良い友達と向かいあって食べられるようにガタカタと机を動かしてお弁当を食べる。
いつものようにアヤメは私の所に来て、私の机とくっつけてカバンからお弁当を取り出し広げ始めた。
「あ―眠かった。ってか、二年に上がって、クラス替えしたけど何も変わんないよね」
知り合いが多いせいか環境に変化はない。
担任も一年の時と同じだ。
お弁当をアヤメがパカっと開けると、色鮮やかなおかずやご飯が入っていた。