【短】おにぎり
ちらっと私を見てアヤメは声を発した。
「誰か側にいてほしいんじゃない」
最後のおかずをパクッとアヤメは口の中に入れて、おいしそうに味わっていた。
言葉に出せないことにより、シュワシュワというコ―ラの爽快感が胃の中に入る度、私は心の中で呟いていた。
誰か側にいてほしいか。
私は窓際の後ろ席なので、授業中に筆箱で隠しながら携帯で調べものをしていた。
後ろまで回ってこなければ先生に見つからない。