【短】おにぎり

タンタン タンタン
「ここか」

 メ―ルには二階しか書かれていなかったが、階段を上るとアパ―ト番号の隣にご飯のマ―クがあったからすぐ分かった。

「お邪魔し―ます」

 ドアノブを握りしめて、ご飯マ―クの部屋に入る。

 私は呆然と立ちつくした。
そこには、誰もいなかった。

「え? いない」

見渡してみると、シンプルな部屋であった。

 リビングにはクロ―ゼット、テレビ、勉強机しかなかった。

 キッチンには湯沸かしと底が深い皿に入っているご飯。

 そしてキッチンの近くには、テ―ブルがあった。
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