【短】おにぎり
「こいつか」
電柱に寄りかかり俺は松井茉莉を見ていた。
俺が見ているなんて松井茉莉は知らない。
俺が誰であることなんて。
次の日、私はこのバイトをしたということはアヤメには報告していない。
友人と親しくなって、悩みや苦しみを共感してもらうことはある。
それでも、自分の中でそうかな? とまだ苦しみが残る部分がある。
たとえ、友人に言われたとしても、やはり自分が決めなくてはいけない。
孤独だ。