【短】おにぎり

「今日も……あそこ行こう」

昨日行ったご飯マ―クの部屋に行きたい。

おにぎりバイトもないけど。
昨日行ってから胸の高まりが収まらない。

見知らぬ世界へ足を踏み入れたワクワクと他人に作ったおにぎりへの喜び。

あの場所が本来の自分を取り戻してくれる気がする。

日差しがあるのに雲行きが怪しい中、私は昨日行った場所へ再び向かった。

「…ご飯マ―クの部屋。ドア開いてる?」
一人呟き、ご飯マ―クの部屋を見上げた。

誰もいなそうだ。

「行ってみようかな。いやでも不法侵入か?」

おにぎりバイトの主は、昨日この十六時の時間ではいなかったから。

多分誰もいないと思う。

 行ってみよう、決して不法侵入ではない。   
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