【短】おにぎり
バイト先の仕事現場をちゃんと把握しておかなければならないのだ。
そう自分に言い聞かせて、マンションの階段を上り、ご飯マ―クの部屋へと向かった。
ドアノブを握りしめて、ドアを開いた。
そこは、ゲ―ムの音が鳴り響いていた。
よし、行け―と男性が猫背気味に携帯で音楽を聞いているのかイヤフォンをしながら、テレビゲ―ムを夢中にやっている姿だった。
ガラリとした昨日の静かな部屋とは、違くなっていた。
「この人が、おにぎりバイトの主?」
私の声は聞こえていないのか、おにぎりバイトの主はテレビゲ―ムに夢中だ。
この部屋の空気を全部吸って私は大音量でおにぎりバイトの主に放った。