イケメンな俺様



それから約20分ぐらい…



近くでぶらぶらしていた桃代と隼人。





「まだかー?」



あまり落ち着きがない隼人。


何度も8組のドアを見て苛々している様子だった。





「まぁーまぁーそこは落ち着いて」




相変わらず冷静な桃代は、そこらへんの適当な場所に腰を下ろしていた。








早く戻ってこないかな〜





そう思いながらも

桃代は眠そうに、頭をたまに落ちそうになっていた。






そんな桃代に気付いた隼人が





「なんだ?眠そうじゃん!」




といきなり桃代の隣に座り込んだ。







ひっ!!






隼人の肩が自分の肩に当たっただけで悲鳴を上げそうになった桃代。






まだ、隼人恐怖症は治っていないらしく



隼人から少し間をあけようとする桃代。





だが、そんな桃代に気付かない隼人は





「寝てもいいよ!」



と、桃代が大の苦手とする営業スマイルが向けられてしまい



ますます隼人とのあいだに間を開ける桃代。






や…やっぱり私この人苦手だわー…





と涙を流しながら改めて思う桃代に対し



隼人はまだ営業スマイルを桃代にむけていた。
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