イケメンな俺様


堪えられなくなった桃代は、その場から逃げる様にして走ったのだった。



きもいきもいきもいきもい




きもーい!!!




「あぁ〜!!!!!」



桃代は自分の部屋にあるクッションに顔を失せ、精一杯に叫んだ。





頭に浮かぶのは、あの桃代が嫌っている隼人の憎たらしい爽やかな笑顔。




あの笑顔が桃代の脳裏を駆け巡る。




「頭から消えてぇ〜!!」




「うるさいなっ!!!」



桃代の叫び声がうるさかったらしく、隣に部屋を構える桃代の三つ上の兄、淳が怒鳴りにきた。





「淳は黙ってて!!」



「お前、また兄にむかって呼び捨てかっ!」




それから、この二人は夕飯まで言い合っていた。
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