高嶺の花
こんなつもりじゃなかったんだ。
でも、美華が嫌がってる声が外から聞こえて、美華が危ないと悟った。
美華の家のインターホンを何度押しても応答がなかったのに、電気はついてるし、切羽詰まってそのまま家に入って美華の部屋に入ったら……
美華があいつに襲われてたんだ。
その時、俺の中の何かが壊れた。
つい、美華の前で本当の俺を見せてしまって。
その後、なんとか追い払ったけど、結局『本当』の俺は、美華を笑顔にはできなくて、慰めてやることも出来なかった。