淡麗なうわずみ
思い出して、急に照れてしまう。

さっきは驚きでしかなかったかも。

でも、記憶をなぞると、なぞられた場面が強烈な甘さに塗り替えられていく。

「じゃあ、改めてもう一回してもいい?」

あたしは、全開で頭を横に振る。

「そうか、残念」

笑ってる。

その余裕が悔しい。

何となく気配を感じてみると、月がこっちを見ている。

ああ、今日、月、出ていてくれてよかった。

思わず見とれて足を止めてしまうような、綺麗な月で良かった。

××おわり××
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