メールチェッカー 【1】
文面は至って冷静だが、由美子には溢れる感情が伝わっていた。
「最後のK.Oがなんだか間抜けなんだよなあ。
別にここでイニシャルを入れる必要なんてないのにさあ。
相変わらずセンスゼロだよ」
ディスプレイに文句をぶつけつつも、由美子は笑いを止めることができなかった。
――愛していると言ってくれたのは、かなり久しぶりだった。
自分に向けた言葉ではないとわかっていても、太田の心の内が見えたようでとても嬉しかったのだ。