メールチェッカー 【1】

「ちょっとやりすぎたかな。

かわいそうだからこのくらいにしておくかあ」


思いも掛けぬ言葉を手に入れられたことで由美子の気持ちは随分と晴れていた。

なんだかかわいそうにすらなっていたのだ。



何度も何度も読んだ太田からの直訴メールをクリックすると、返信の画面を開いてキーボードを叩いた。


『K.．Oさん

どうも、アツシです。

オレ別に、あの人をどうにかしようなんて本気で思ってたわけではないので。

それに、大事ならもう困らせない方がいいと思いますよ。

あ、大丈夫です、もうメールしませんから。

じゃあ、オレはこれで去ります。お幸せに』


そして自分の携帯宛にも一通、お別れメールを作って送信した。