メールチェッカー 【1】
萌香は笑いながらメンソールのタバコを取り出した。
反対に、関口は顔がひきつっている。
なんでこんなことをこんなに簡単に言うのだろう。
自分は、高鳴る心臓の動きを抑えるのが精一杯で、そんな余裕などみじんもないというのに。
「……なあ、マジで?」
「ああ、でも今はダメよ、彼女はまだそんなつもり全然ないんだし」
関口は大きく肩を落とした。
話の流れで、今すぐ萌香とつき合えると思っていたのに。
一度手に入りかけたものは、完全に手中に収めないと気が済まない。
真面目な顔を作り、萌香の力強い眼差しから目をそらさずに関口は言った。
「1ヶ月以内にアイツと必ず別れる。
だから、オレとつき合ってくれよ」