メールチェッカー 【1】
最初のうちは葉子と萌香のデートのバランスを気にしていた関口だったが、だんだん萌香との回数が多くなるのが流れというものだ。
萌香といる方が格段に楽しい時間に感じた。
例えば、ドアを開けて待っているだけでも「ありがとう」と言う萌香の言葉に小さな幸せを感じる。
葉子ときたらやって当然とでも言いたげに、その行為にお礼を向けたことなどない。
食事の好み、感情の傾け方、ベッドの相性、すべてにおいて萌香はパーフェクトで、葉子の魅力など今やどこにも残っていないという有様。
何かがあるとすれば、もはや『情け』でしかなかった。