メールチェッカー 【1】
焼き鳥とビールですっかり腹の膨れた稔矢は、留実の部屋に着くと、風呂にも入らないままソファで大いびきをかき始めた。
留実は稔矢の足を覆う靴下を何とか引きはがすと、タオルケットを静かに掛けた。
寝入った稔矢は朝まで起きない。
一度、何とか風呂に入れようと起こしてみたことがあったがびくともせず、かえってこちらがへとへとになった事がある。
それ以来、こうなったらもう諦めるしかないと悟ったのだ。
テレビをつけ、音量を5つほど下げた。
リモコンでチャンネルを替えながら、留実は夕方のあの出来事を再び思い出していた。
何故だろう。嫌な予感がするのだ。
これが俗に言う『女の勘』というものかと、まるで他人事のように感心した。