メールチェッカー 【1】
不思議なことに、送信トレイには一通もメールが残っていなかった。
それはその女性宛ではなく、留実宛のメールすらないのだ。
変な癖。
留実は首をひねる。
だがこれでは稔矢がどんなメールを送っているのかがわからない。
稔矢の気持ちがわからなければ、この疑惑は確定に変えることができないのだ。
留実は送信トレイを閉じ、新規メール作成画面を開いた。
本文画面で、思いつくまま文字を入力してゆく。
『あい』
これで、変換予測に『愛してる』と出たら確定だ。