かわいくないキミ
本題を切り出すと、彼女はいきなり視線をそらす。

「フラれたのは知ってるけど、それ関係?それとも仕事の相談?」

もちろん仕事の相談じゃないなんてわかっているけれど、一応聞いてみる。
するとため息をハーっと吐き出した彼女はさっきの動揺が嘘のように俺の目をじっと見つめてくる。

「杉野ってさ、本当にデリカシーないよね」
「よく言われる」
「アンタね」
「1年ぶりくらいじゃない?2人きりでの飲み。白石さんさ、こーいうのイヤなタイプだっただろ?彼女が男と飲みに行くとか」

元彼の名前を出してみると、さっきより深いため息を吐き出す彼女。

「あの人結婚するらしいね。取引先の人と」

さらに追い討ちをかけると、彼女はギュッと唇をかみ締めた。

「久々に俺誘ったのは、二股かけられた愚痴でも言いに来た?」
「………」
「それともマジで仕事の相談?営業向いてないって話なら聞き飽きたけど」
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