kioku
プロローグ
目を開けるとボヤけた視界の中に
白い天井が見えた。
視線を右にずらすと窓の外を覗くようにして
立っている男性が1人。
ボーッとする頭の中で考えても、
自分はこの男性を知らない。
気だるさの残る重たい身体を起こす。
「...!? 柚ッ!」
その物音に男性は自分が起きたことに気付き
身体を支えてくれた。
"柚(ゆず)"
この言葉に疑問を抱いた。
「身体辛くないか?痛いところは?」
自分の身体を心配してくれる男性を他所に
妙に冷静な頭の中で最初に発した言葉は、
「だれ?」
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