kioku
ふとある物に目が止まる。
"織原 柚 様 "
自分の名札を見てそれまでのパニックがうそのように引いて冷静さを取り戻した。
(ゆず....わたしの名前...)
柚はほんの少し違和感を感じた。
自分の名前のはずなのに赤の他人の名前をもらっているような感覚であったのだ。
(わたしはどんな性格だったのかな。
あの男性はわたしとどんな関係を...)
柚が考えているとガラッと音を立てて扉が空いた。