kioku
医師は柚の怪我の治療終了後、問題なければ退院してもいいと伝えると部屋から出ていった。
言われて初めて気付いた。
確かによく見ると身体のあちこちにガーゼと包帯、頭も包帯で覆われてる。
医師が出ていくと部屋の中には沈黙が訪れ
重い空気が流れる。
「...あの、」
最初にその空気を切ったのは柚だった。
「あなた方とわたしはどんな関係を?」
「..兄弟だよ。柚は俺らの妹」
そう眼鏡の男性は答えた。
「義理のな」
少し怖い男性の方が付け加えた。