りせい君の理性が危うい瞬間
反射的に離れてしまった利生君の前にもう一度立ち
手を真っ暗な空に向かって伸ばし、彼の頬に向かって振り下ろした。
ーーーパンッ...。と、自分の頬から短く そして小さく鳴る音に驚いた利生君が、さっきまで余裕たっぷりだった表情を曇らせる。
私は感情のままに、利生君の頬を叩いてしまったんだ。
「...俺を叩くとは。
いい度胸してるね、あんた」
蛇(へび)のように鋭く睨んでくる利生君。
私を怒らせたのは利生君の方が先なのに...
利生君の怒った顔に迫力がありすぎて、震えが止まらない。
...なんで私の方が悪いことしたみたいになってるの?
「大丈夫、怒ってないよ」
「...っ、」
「でも、暴力って1番いけないことだって。
普通の人間なら分かるはずだろ?」
「...」
「あんたはどうやら、自分が普通の人間で、俺みたいに金のある奴は金ですべてを解決したがる悪党だと思っているようだ。」
「...」
「あんたは金を持ってる奴になら誰彼構わず嫌悪感を抱いてるみたいだね。
ねえ、それって差別って言うんだよ、知ってた?」
「...」
「でも大丈夫...俺そういう奴見てるとさ...」
"どうしても服従させたくなるんだ"