りせい君の理性が危うい瞬間
この時間はお母さんが仕事に行ってる時間だから、先に夕飯を食べちゃおうとキッチンに向かう。
「あれ...?」
ーーーっと。キッチンからなにか異様な雰囲気が放たれていることに気づき、恐る恐るキッチンに顔を出すと。
「おか...さん?」
床に落ちている、中途半端に切られているじゃがいもと包丁、そして数本の酒瓶。
真っ赤に床を染めたそれは、トマトではなくお母さんの口から吐き出されている血だった。
うつ伏せで倒れている母は、顔を真っ青にしながら生きているか死んでいるか。
確認出来るほど、余裕なんかなかったからすぐに救急車を呼んだ。
父が死んで、母が倒れ。
一体私が何をしたって言うのよ...かみさま...っ。
このままじゃ一人ぼっちになってしまう...。
一人ぼっちは嫌だよ...やだよ、お母さん。