りせい君の理性が危うい瞬間





心情なんか、言わなきゃ誰にも察してもらえないことくらい知っていた。

でも助けを求めることが出来なかった。 だって私には友達が1人もいないから。


元々人見知りで自分から声をかけることが出来ない私にとって、クラスメイトは教室にある机と同じ扱い。


1人ぼっちで弁当、体育の2人1組は決まって先生とが当たり前だった。


だけど不思議と学校は居心地が良く、1人は嫌いじゃなかったし、それは自分がいじめられる対象じゃなかったから。


だけど...。


3時限目の体育が終わり、先生に頼まれて後片付けを手伝っていたときだった。



「ねえ、光崎さん。 ちょっと来てくれない?」



クラスのボス女子、クルクルきつく巻かれた金髪の安藤美苗(あんどう・みなえ)に呼ばれ、素直に振り返る。




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