りせい君の理性が危うい瞬間
「なにか用ですか?」
「分かってるくせに、とぼけんじゃないわよ。
あんた利生君と付き合ってるわけ?」
やっぱり利生君のことか。
安藤さんの目を見ると、嫉妬で目元は赤に染っていた。
利生君は追いかけられる恋に興味がないから、きっと安藤さんがどんなに利生君を思っていても、私に嫉妬しても。
ーーそんなんじゃ、利生君は振り向いてくれないよ?
ここ数日、彼と少ない時間を共にしただけで、こんなにも利生君のことを分かってしまうなんて。
私ってすっごく、気持ち悪い。
「付き合ってないよ。 でも“そんな“性格だと、利生君は安藤さんのこと好きにならないと思う」
「...はあ?」
だって利生君。 性格悪いんだもん。
性格悪いから、性格悪い人とは合わないと思うんだ。