りせい君の理性が危うい瞬間




「さっきからあんた。もしかして私のことバカにしてる?」

「してないよ。 だって本当のことなんだもん」


「...なによあんた、もしかして利生君のこと好きなの?」


「好きじゃないよ。利生君が私のことを求めてるからそばにいるだけ。」


「ーーッ!?利生君があんたみたいな凡人求めるわけないでしょ!? 自惚れるのもいい加減にしたら!?」



私の生意気な態度にカッとなった安藤さんが、ネイルで輝いてる手でバシッと。私の頬を叩いた。


ーーそして。


腕を掴まれ、連れてこられた場所は、お昼でも関係なしに暗い体育倉庫。

安藤さんに背中を押され尻もちをついた瞬間

ーーガチャン!と大きな音を立てて閉まるドアに、一瞬で不安が煽られる。



「ちょっ...!安藤さん開けてよ!!」


グッと力を込めて、何度ドアを開けようとしても開かず、柄にもなく大声を上げると。



「あんたが悪いんだからね。 私のことバカにして、しかも利生君まで奪おうなんて...。
どんな手使ったかは知らないけど、利生君は優しいから。友達のいないあんたに構ってあげてるだけなんだから」


「...っ」


「調子に乗らないでよね、ダサ女」







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