りせい君の理性が危うい瞬間
「ククッ……ハハッ、羽子はほんっと……面白いね。
あんたにだけはいつまで経っても好かれる気がしないよ。……でも……ねぇ?」
ーーグイッ!とこんどは、利生君が私の胸ぐらを掴み、強引に引き寄せる。
ブチッと胸元にあったリボンがシュルッ……と、ワインレッド色のカーペットの上に落ちていき。
それが床に落ちたのを利生君は確認すると。
ーーダンッとその足で、リボンを踏みつける。
「残念だけど、俺ってさ。
どちらかと言うと人を従わせたい方なんだ」
「……っ」
「だからその気持ちを余計高ぶらせた羽子が悪いんだよ……?
ちゃんと、責任とってね」
「ーーッ!?」
近づいてくる利生くんの綺麗な顔。
光も闇も寄せ付けない。
でも、逸らす前に吸い込まれてしまいそうな"無"の目を見ていたら、視界がどんどんボヤけてきた。
また……唇を奪われる。