Happy?~結婚生活は甘くて危険がいっぱいです~
このまま俺が何も伝えないでいたら、彼女は俺以外の男を見つけてしまうかも知れない。

もしかしたら、そいつを選んで俺と別れる…なんて言う展開になる可能性も否めない。

自分の気持ちを伝えて、彼女の気持ちも聞いて、それから今後のことを考えよう。

このまま夫婦としての生活を続けるのか、それとも仲のいい友達としての生活をするか、もしくは別々の道を歩むか。

そう考えたら、自分の気持ちが楽になっていることに気づいた。

「玉村」

「んっ、何ですか?」

「ありがとう」

突然お礼を言った俺に、玉村は訳がわからないと言うように首を傾げた。

「…俺、何かしましたっけ?」

自分を指差して聞いてきた玉村に、
「たまには労いの言葉をかけてやろうと思ってな」
と、俺は言い返したのだった。
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