Happy?~結婚生活は甘くて危険がいっぱいです~
「ただいま」

俺が家に帰ると、
「お帰りなさい」

斎藤ゆめのが迎えてくれた。

「ちょっと夕飯の支度に時間がかかっているので、先にお風呂に入っていてくれませんか?

その間に用意しますので」

そう言ってキッチンへと向かおうとする彼女を、
「ゆめの」

俺は呼び止めた。

「はい?」

斎藤ゆめのが振り返って俺を見つめた。

言うんだ、ちゃんと言うんだ…。

彼女が俺を見つめているせいで、心臓がドキドキと鳴っている。

夫として、男として、やるべきことをちゃんとやるんだ。

「――俺…」

気を落ち着かせるために、深呼吸をした。

「――俺、君のことが好きになったんだ…」

そう言った俺に、斎藤ゆめのは驚いたと言うように目を見開いた。
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