Happy?~結婚生活は甘くて危険がいっぱいです~
敬子はやれやれと言うように息を吐くと、
「まあ、とりあえずは…おめでとう、ゆめの」
と、言った。

「ありがとう、敬子」

わたしは嬉しくなって、敬子にお礼を言った。

「それよりも、時間は大丈夫なの?

今日は村雨さんとデートに行く約束をしているんでしょ?」

そう言った敬子に、
「あっ、いけない!」

わたしはパチンと手で額をたたいた。

今日は村雨さんの仕事が終わったらデートをすることになっているのだ。

両思いになってから、初めてのデートである。

「じゃあ、もう行くから」

椅子から腰をあげたわたしに、
「気をつけてねー」

敬子はそう言って見送ってくれた。

わたしは敬子に向かって手を振ると、店を後にしたのだった。
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