Happy?~結婚生活は甘くて危険がいっぱいです~
待ち合わせ場所へと足を向かわせると、村雨さんはすでにきていた。

「すみません、待ちましたか?」

わたしが声をかけたら、
「いや、俺も今きたところだから」

村雨さんは答えた。

ああ、本当に両思いになったんだな。

その事実にわたしは喜びを噛み締めた。

「先に飯でも食いに行くか?」

そう言った村雨さんに、
「いいですよ」

わたしは返事をした。

村雨さんがわたしに自分の手を差し出したので、わたしはその手を繋いだ。

七夕祭りの日は手を繋ぐことに多少の抵抗――あの時はまだ両思いじゃなかったから――はあったけれど、両思いとなった今はこうして堂々と手を繋ぐことができた。

わたしが手を繋いだことに村雨さんは微笑むと、歩き出した。
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